ECサイトを構築したいけれど費用の問題がある、ECサイト構築に興味がある
そんなときにオススメなのがIT導入補助金を使ってのECサイト構築です。
IT導入補助金を利用すれば、最大で450万円の補助金を受け取ることができます。
資金不足でECサイト構築を諦めていたという方も、ECサイトの構築が現実的になりますね。
☑IT導入補助金を使ってECサイトを構築したい
☑中小企業、小規模事業者でECサイト構築を考えている
といった方に向けてわかりやすくIT導入補助金を使ってECサイトを構築する方法についてまとめています。
ちょっとIT導入補助金について調べた方は
なんだかややこしい、よくわらかない、結局のところ支援を受けられるのかな・・・
そんな印象を持ったのではないでしょうか。
IT導入補助金はECサイト構築以外にも使える補助金なので、対象企業に当てはまるのか、申請の方法は?などわからないことが次々出てきますよね。
そこで、本記事では、IT導入補助金の補助金額や申請手順などをまとめました。
このページさえ見ればIT導入補助金を使ってECサイトの構築ができる!そんな記事にしていますので参考にしてみてください。
本記事のポイント
・ECサイト構築にIT導入補助金を利用するなら「デジタル基盤導入類型」で申請しよう
・最大補助金額は350万円
目次
ECサイト構築に使える!IT導入補助金とは?
そもそも、IT導入補助金とはどういったものなのでしょうか。
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する経費の一部を国が負担してくれるというものです。
IT導入補助金は通常枠(A・B類型)、デジタル化基盤導入類枠(デジタル化基盤導入類型)、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)、デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)の5つの分類に分けることができます。
このうちECサイト構築で使えるのは「デジタル化基盤導入類枠(デジタル化基盤導入類型)」になります。
IT導入補助金でいくらもらえる?補助率と補助額
気になる補助金額についてですが、先程紹介した4つの分類によって補助内容が変わります。
通常枠
A類型 | B類型 | |
補助額 | 5万円〜150万円未満 | 150万円〜450万円以下 |
補助率 | 1/2以内 | 1/2以内 |
補助対象経費 | ソフトウェア購入費 クラウド利用費(最大2年分) 導入関連費 | ソフトウェア購入費 クラウド利用費(最大2年分) 導入関連費 |
通常枠では、決済や発注ソフトなどの生産性を上げる目的としたシステムが対象となります。
デジタル化基盤導入類枠(デジタル化基盤導入類型)
デジタル化基盤導入類型 ソフトウェア(ECサイト・会計ソフト) | デジタル化基盤導入類型 ハードウェア(PC・タブレット・レジ) | |
補助額 | 下限なし〜50万円以下 50万円超350万円以下 | 10万円以下 20まねん以下 |
補助率 | 3/4以内 2/3以内 | 1/2以内 |
補助対象経費 | ソフトウェア購入費 クラウド利用費(最大2年分) 導入関連費 | ソフトウェア購入費 クラウド利用費(最大2年分) 導入関連費 |
デジタル化基盤導入類型ではECサイトや会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトなどのソフトウェアとハードウェアまで補助の対象になります。
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)
中小企業・小規模事業者等が申請する場合 | その他の事業者等が申請する場合 | |
補助額 | 下限なし〜350万円以下 | 下限なし〜350万円以下 |
補助率 | 補助率2/3以内 | 補助率1/2以内 |
補助対象経費 | インボイス制度に対応した受発注システム | インボイス制度に対応した受発注システム |
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)はインボイス制度に対応した受発注システムが補助対象です。補助率は申請者によって異なります。
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
基盤導入経費 | 事務費、専門家費 | |
補助額 | 3,000万円以下 | 200万円以下 |
補助率 | 補助率3/4以内 50万円以下(下限なし) 補助率2/3以内 50万円超~350万円 | 2/3以内 |
補助対象経費 | ITツール ハードウェア | コーディネート費 取組への助言を行う外部専門家に係る謝金等 |
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)はサプライチェーンや商業集積地に属する複数の中小企業・小規模事業者等が連携してITツールを導入する際の支援となります。
この4つの枠の中でECサイト構築に使えるのは「デジタル化基盤導入類枠(デジタル化基盤導入類型)」「デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)」の2つです。
複数社連携IT導入類型では大規模なDX化などのサポートをする目的で新設されています。そのため、補助金の額も大きいことがわかります。
また、対象となる企業についても違いがあります。細かな要件はデジタル化基盤導入類型にもありますが、
複数社連携IT導入類型ではいくつかの企業が連携したり、商工団体などが対象となっています。
対象となる企業 | 最大補助金額 | |
デジタル化基盤導入類型 | 一般的な中小企業小規模事業者 | 350万円 |
複数社連携導入類型 | 商工団体まちづくりなどに取り組むことができる企業複数の企業が集まったコンソーシアム | 3000万円 |
ECサイト構築ならデジタル基盤導入類型での申請がおすすめ
結論から言うと、デジタル基盤導入類型での申請をおすすめします。
さきほども述べた通り、複数社連携IT導入類型では、補助金額は大きいものの対象となる企業が絞られてきます。
また、ECサイトを構築したいと思っていても複数社連携IT導入類型で申請する場合、単独での申請はできません。
10以上の事業者で申請する必要があるため、単にECサイトが構築したいという場合はデジタル基盤導入類型で申請を行いましょう。
補助金がどのくらいもらえるか調べて見よう
デジタル基盤導入類型では最大350万円の補助金が受け取れます。
ですが、実際にECサイトを構築するといくらかかって、どのくらい補助金が受け取れるのかというのは知っておきたいポイントですよね。
例えば、弊社で以下の写真のECサイト構築をすると費用は80万円になります。
このECサイト構築に補助金を使った場合、受け取れる補助金は約59万円という計算になります。
補助率 | 補助対象経費 | 補助金申請可能額 |
補助率3/4 | 666,667 | 500,000 |
補助率2/3 | 133,333 | 88,888 |
合計 | 800,000 | 588,888 |
50万円から補助率が変わるため少し分かりづらいですよね。
補助金シュミレーターを使えば、お見積りの段階でだいたいどのくらいの補助金を受け取れるのか、カンタンにわかります。
補助金シュミレーターを使って受け取れる補助金額をチェック
ECサイトを構築する場合の補助金額シミュレーションは超カンタン。
お見積りだけ分かれば、後は数字を金額を入力するだけです。
補助金シュミレーターのページに進んで(https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/digitalbase/simulator/)さっそくチェックしてみましょう。
ECサイトを構築する場合はECサイトにチェックをいれて見積もり金額を入れるだけです。
例えば弊社の一般的なECサイトのお見積り80万円を入れてみると50万円の補助を受け取ることができます。
お見積り金額が変わっても補助金額を調べることができるので便利ですね。
IT導入補助金がどういったものなのか、ECサイト構築で使えるIT導入補助金の種類がわかったと思います。
ここからはデジタル基盤導入型を利用してECサイトを構築する場合の申請要件や流れについて解説していきます。
IT導入補助金を利用するための主な条件は3つあります。
IT導入補助金を使ってECサイトを構築できる企業の条件は?
当てはまっていれば補助金の申請ができるので、自社が当てはまっているのかチェックしておきましょう。
補助対象
中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)
業種・組織形態 | 資本金 | 従業員 |
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
医療法人、社会福祉法人、学校法人 | ‐ | 300人 |
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 | ‐ | 100人 |
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 | ‐ | 主たる業種に記載の従業員規模 |
特別の法律によって設立された組合またはその連合会 | ‐ | 主たる業種に記載の従業員規模 |
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) | ‐ | 主たる業種に記載の従業員規模 |
小規模事業者
業種・組織形態 | 従業員 |
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
補助金申請に必要な要件
①gBizIDプライムを取得する
行政サービスにログインするためのサービスです。このアカウントがないとIT導入補助金の申請はできません。
②「SECURITY ACTION」の宣言をする
「★一つ星」または「★★二つ星」のどちらかの宣言をする必要があります。
交付申請情報の取り扱い規約に同意する必要があります。
③みらデジ経営チェック
アカウントを作って事業者登録を行ったあと、みらデジ経営チェックを実施します。
実際には、その他必要書類の提出や規約への同意などが必要ですが、申請にあたってポイントとなるのは上記3つです。
どれもIT導入補助金を利用する前に申請しておく必要があるので、どの段階で準備する必要があるのかを見ていきましょう。
IT導入補助金を申請してECサイトを構築する手順
IT導入補助金を申請してECサイトを構築する場合は大きく分けて2つの段階があります。
通常、申請前にどのITツールを導入するか、申請類型はどうするか?と申請前に考えることがあります。
しかしここでは、ECサイトの構築を「デジタル基盤導入類型」で導入するという仮定をして手続きの流れを解説したいと思います。
①申請までにやること
②申請
③交付決定の後にやること
ひとつひとつ解説していきます。
①申請までにやること
・IT導入支援事業者の選定
・必要書類の準備
・gBizIDプライムのアカウント取得
・SECURTYACTIONの宣言を行う
・交付申請書の準備と申請
申請までにやるべきことは上記の5つです。
IT支援事業者の選定
申請を行うにあたってまず、IT導入支援事業者を選ぶ必要があります。
IT導入支援事業者はパートナーのようなもので、導入やアフターサポートの提供などを行っています。
IT選定事業者を選ぶポイントは、
・ECサイト構築を扱っている事業者を選ぶ
・採択の実績を確認
支援事業者がECサイト構築を扱っていなければ、その事業者から申請をすることはできません!
また、採択の実績があるのかという点についても事前に確認しておきましょう。
申請にあたってわからないことが出てきたり、サポートが必要な部分についても実績のある支援事業者であれば安心です。
採択されるかという点に関わってくる大切なポイントですので信頼できる支援事業者を選定することをおすすめします。
もちろん、弊社でもECサイト構築の支援事業者としてサポートをすることができますので
お気軽にご相談ください。
必要書類の準備
・履歴事項全部証明書
・法人税の納税証明書
法人の場合は上記の証明書が必要書類になります。
申請の前までに準備をしておきましょう。
gBizIDプライムのアカウント取得/SECURTY ACTIONの宣言
交付申請をする際にアカウントの取得とSECURTYACTIONの宣言をする必要があります。
特に、gBizIDプライムのアカウントは発行まで2週間と時間がかかるので早めに申請手続きをしておきましょう。
SECURTYACTIONの宣言は、申請の申込みをするとアカウント登録ができます。
そのときに使ったアカウントIDが申請のときに必要になります。
ここまでできたら申請をします。
②申請するときにやること
・IT導入支援事業者から「申請マイページ」の招待を受ける
・申請マイページで、申請に必要な情報を入力する
・申請マイページ上で入力内容を確認する
申請するときにやることは、上記のとおりで、IT導入支援事業者といっしょに進めていく形になります。
また、事業計画値の入力などはIT導入支援事業者がします。
③交付決定の後にやること
・ECサイトの構築
・事業実績報告
・事業実施効果報告
採択が決定したらECサイトの構築を始めます。
ECサイトの構築
採択が決定したら、ECサイトの構築がスタートできます。注意したいのは、このとき支援事業者から購入した金額はすべて支払う必要があるということ。
補助金の請求前なので、手元にお金がない場合は、金融機関等に相談する必要があります。
事業実績報告
IT導入支援事業者に支払った金額の明細やECサイトの画面キャプチャを申請マイページから報告します。
事業実施期間を過ぎて行われたものは交付取り消しになる可能性があることに注意です。
ECサイトが構築途中になってしまった!という場合も交付取り消しになるのでスケジュールには注意が必要です。
無事に事業が完了すれば、補助金が支払われることになります。
事業実施効果報告
補助金が支払われて終わり、にはなりません。事業実施の効果を報告を期限内に行う必要があります。
IT導入支援事業者の確認後、提出を行いましょう。補助金の申請は慣れない分、難しく感じてしまいますが
3つのステップをこなしていけば、大丈夫です。
信頼できるIT導入支援事業者を探して、進めて行けばわからないこともすぐ確認できるので安心ですよ。
ただ、IT導入補助金を使ってECサイトを構築するとき注意すべきこともあります。
知らないと、申請しようと思ってたのに申請できなかった、失敗した!と損してしまうのでチェックしておいてください。
IT導入補助金を使ってECサイトを構築するときに注意したいこと
特に注意したいことは下記3点です。
①ECサイトのリニューアルは補助金の対象外
②アプリケーションを利用せずECサイトを構築する場合は補助金の対象外
③ECサイト完成後、補助金を受け取る前に支払を完了する必要がある
①ECサイトのリニューアルは補助金の対象外
新しくECサイトを構築する場合は問題ないのですが、すでにあるECサイトをサイトをリニューアルするのは補助金の対象外になります。
②ゼロベースからECサイトを構築する場合は補助金の対象外
スクラッチ開発といいますが、ゼロベースからのECサイトをサイト構築は補助金の対象外になります。
ECサイト構築を検討していれば聞いたことがあるかもしれませんが、ShopifyやMakeshopといったサービスを利用すれば補助金の申請ができます。
ECサイト構築の際は注意しましょう。
③ECサイト完成後、補助金を受け取る前に支払を完了する必要がある
資金繰りが厳しいため補助金を申請するという方も多いと思います。手順のところでもお話しましたがECサイトが完成したら、補助金を受け取る前に全額支払いをする必要があります。
事前に支払いすることができるのか確認しておきましょう。
ここまでIT導入補助金でECサイトを構築する方法についてご紹介しました。ただ、実はこれ以外にもECサイト構築ができる補助金はあります。
自社にあった補助金制度を選んでみましょう。
IT導入補助金だけじゃない!ECサイト構築に活用できる補助金
IT導入補助金以外のECサイト構築で利用できる補助金制度をご紹介します。
・事業再構築補助金
・ものづくり補助金
・小規模事業者持続化補助金
上記の通りです。
各補助金のポイントを解説していきます。
事業再構築補助金
コロナの影響を受けている事業者を対象に新規事業や業態転換を行う中小企業をサポートするための補助金です。
補助金額が大きいのが特徴で、コロナの影響を受けて売上減少がおきた場合に利用することができます。
しかし、ただECサイトサイトを構築するというよりも業務展開などを行う必要があるため注意が必要です。
ものづくり補助金
中小企業や小規模事業者を対象とするものづくり補助金でもECサイトを構築することができます。
補助金を受け取るために、給与支給額などの条件をクリアする必要があるので申請する際には事前にチェックしておきましょう。
小規模事業者持続化補助金
少人数で事業を運営している場合にはこちらの補助金も検討してみてください。
上限が50万円となりますが、ECサイトの構築を目的としての申請ができます。
IT導入補助金を使ってECサイトを構築しよう!
IT導入補助金を使ってECサイトを構築する方法を紹介しました。難しく考えがちな補助金申請ですが、情報を整理してみるとそこまで難易度の高いものではありません。
申請要件や対象企業をきちんとチェックして申請をすれば問題ありません。
remacreでは、IT導入補助金についてのご相談や、ECサイトの構築についてのお問い合わせを受け付けております。
お気軽にご質問ください。