9月になり、Googleは広告レポートについて、「クリックが発生したキーワードが重要でない場合、そのキーワードが確認できなくなる」旨を発表しました。
つまり、「クリックによる課金が発生したのにもかかわらず、その内訳がわからなくなる」ということになりますが、これは衝撃的な変更に思えます。
Googleは広告主に対し、「検索語句レポートには多くのユーザーが検索した重要なキーワードのみを含めることにした」と通知。
「重要」の定義については述べていない。
Googleは、変更の理由を「プライバシーポリシーを維持し、ユーザーデータに関する保護を強化するためである」と語った。
公式からのアナウンス
Google広告の公式ヘルプページにはこのように記載があります。
2020年9月より、クリックを獲得している語句がある場合でも、多くのユーザーが検索した語句のみが検索語句レポートに表示されるようになります。そのため、レポートに表示される語句が少なくなることがあります。
※引用元
この変更による検索広告への影響
以下のSearch Engine Landの記事では、本アップデートが検索広告に与える影響に関して、デジタルエージェンシーのSeerによる試算が紹介されています。Seerによれば、これまで検索語句レポートで確認できていた検索語句のうち20%以上が表示されなくなり、これは検索広告費のうち最大28%を占めるとのことです。
※参考リンク
これまでは広告表示につながったクエリを確認することができましたが、公式ヘルプページいわく、このアップデート以降は、一部のクエリで広告が表示されてクリックがあったとしても、検索語句レポート上に表示されない可能性があると言います。また、その閾値も明らかにしていません。
ご存じの通り、キーワードは表記ゆれも含め、似た意味の言葉にも拡張します。その拡張されたクエリ毎のインプレッションは多くないことがほとんどだと思います。。今回のアップデートにより、一定以上のインプレッションがなければ表示されなくなるのだとすれば、どのようなクエリがクリックにつながったのか、または意図しない・拡張を避けたい意味のクエリを拾ってしまっていないかが確認できません。
この変更による影響
除外キーワードの選定
広告運用者は、検索クエリの分析によりアカウントを改善していると思います。本アップデートで多くのユーザーが検索した語句しか表示されなくなった場合、当然除外キーワードが登録し辛くなるでしょう。その結果として、キャンペーンの最適化ができず、不必要な検索語句に広告費を払っているのかどうかも確認できなくなります。この最適化を行うことができなければ、不必要な検索語句に広告費を払っているのかどうかも確認できなくなります。
検索数の少ないCVに繋がるロングテールキーワードの発見/登録
こちらについてはGoogleの「スマート自動入札×部分一致」機能を使うことで、キーワードのカバーできる範囲を広げることができます。
まとめ
やはり「多くのユーザーが」という点について、明確な数値が示されていないのは納得がいかない運用担当者は多いと思います。
今回のアップデートとは別に対応策や別の機能がリリースされる可能性もあるので、続報が入り次第お伝えしたいと思います。