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AppleのiOS 14リリースが広告やレポートに及ぼしうる影響
Appleが先般発表したiOS 14での変更点は、Facebookピクセルなどのツールから得られるコンバージョンイベントの受信と処理に影響を及ぼします。モバイルアプリを宣伝しているビジネスや、Facebookのビジネスツールのいずれかを利用してウェブコンバージョンイベントの最適化、ターゲット設定、レポートを行っているビジネスは影響を受けることになります。
参考:AppleのiOS 14リリースが広告やレポートに及ぼしうる影響
1. ターゲット設定の制限
iOS 14のデバイスで広告のトラッキングを許可しないユーザーが増えると広告のターゲティングとなるカスタムオーディエンスのサイズが小さくなる可能性があります。リターゲティング広告も同様に配信可能なオーディエンスのサイズが小さくなると考えられます。
2. レポートの制限
アプリ広告の場合iOS 14デバイスからの広告パフォーマンスを測定する機能が制限されます。
具体的にはどういった影響がでてくるのか見ていきましょう。
レポートの遅れ
リアルタイムレポートはサポートされなくなり、データに最大3日のタイムラグが発生する可能性があります。iOS 14アプリインストールキャンペーンでは、コンバージョンイベントは、発生した時点ではなくSKAdNetwork APIからFacebookに報告された時点に基づいてレポートされるようになります。ウェブコンバージョンイベントは、関連する広告インプレッションが発生した時点ではなく、コンバージョンが発生した時点に基づいてレポートされるようになります。
推定結果
iOS 14アプリインストールキャンペーンでは、SKAdNetwork APIはキャンペーンレベルで集計された結果をFacebookに報告します。キャンペーンが1つの広告セットと1つの広告で構成されている場合を除き、広告セットレベルと広告レベルの結果を報告する際に統計モデルが使用される可能性があります。ウェブコンバージョンイベントでは、iOS 14ユーザーからのコンバージョンを報告する際に統計モデルが使用される可能性があります。
配信とアクションの内訳は非対応
アプリコンバージョンとウェブコンバージョンのいずれについても、配信とアクションの内訳(年齢、性別、地域、配置など)はサポートされなくなります。
アカウントアトリビューションウィンドウ設定の変更
AppleによってiOS 14の要件が適用されると、新規またはアクティブなすべての広告キャンペーンのアトリビューションウィンドウは、アカウントレベルではなく広告セットレベルで設定されるようになります。新規の広告セットのアトリビューション設定には、キャンペーン作成中にアクセスできます。このような広告セットレベルのアトリビューション設定により、測定されるコンバージョンと、キャンペーンの最適化に使用されるコンバージョンが同じになります。また、広告のパフォーマンスをさらに柔軟かつ明確に分析できるようになります。さらに、新規またはアクティブなすべての広告キャンペーン(iOS 14アプリインストールキャンペーンを除く)のデフォルトは7日間のクリックアトリビューションウィンドウに設定されます。iOS 14アプリインストールキャンペーンのレポートは、AppleのSKAdNetwork APIによって提供されたアトリビューションウィンドウに基づいたものになります。
3. 広告作成の制限
iOS 14のデバイスが増えると、リターゲティングオーディエンスのサイズが小さくなる可能性があります。
対応すべき内容
FacebookのiOS用SDKをバージョン8.1にアップデート
iOS 14ユーザーに配信される広告をパーソナライズでき、引き続きアプリコンバージョンイベントのレポートを受信できます。アップデートはイベントマネージャから行えます。アップデートするには、ご自分がアプリの管理者である必要があります。FacebookのiOS用SDKバージョン8.1は現在、AppleのSKAdNetwork APIをサポートしており、アプリインストール広告の効果測定が可能です。最新バージョンのSDKをインストールしていない場合は、インストールすることをおすすめします。
ドメイン認証
ウェブサイトキャンペーンに今後支障が出ないようにするために、ウェブサイトのドメインの認証が必要になる場合があります。ドメイン認証はエフェクティブトップレベルドメイン+1 (eTLD+1)で実施する必要があります。
コンバージョンイベントが8件に制限
イベントマネージャで、優先度の高いウェブコンバージョンイベントをドメインごとに8件設定してください。合算イベント測定では、各ドメインでキャンペーンの最適化に使用できるコンバージョンイベントが8件に制限されます。
まとめ
今回の変更により、広告面での影響は非常に大きいものになることが予想されます。
変更内容は現時点でのものですので今後も増える可能性があります。
そういった中でいち早く変更や対策方法を認知し、アクションを起こすことで影響を最小限にとどめられるようにできると考えられます。
今後のFacebookの動向を注意深く観察していきましょう。